〔285〕山上ヶ岳 (1,719m)

2006年06月04日(当時57歳)


穏やかな表参道を登っていくと山伏の格好をした人が次々と降りてくる。
山歩きでのすれ違いの挨拶は「こんちわ!」で済むが、ここでの挨拶は
ようお参り!」である。 1人2人の時はよいのだが、沢山の人と
すれ違う場合は言葉が長いのでうっとおしくなってくる。
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奈良県吉野郡天川村洞川
登山口
  清浄大橋横の駐車場は千円取られるが、少し歩く元気があるなら無料で車を停められるスペースは
沢山ある。 林道を登り詰めた終点にも4台が停められる小さなスペースがあった。
今回はメンバーが3名だったので悪あがきせずに千円を払って車を停める。
一人なら有料駐車所には車を停めないポリシーを守っていたが・・・
Road Map :南阪奈道を葛城ICで降りて国道309号線を南下、洞川に至る。
Route Map:女人結界のある清浄大橋から表参道を歩く。下りはレンゲ辻側から林道に出る。
  30分歩いた ”一本松茶店”からでも山頂までは後4kmある。
穏やかな道ではあるが、地図で判る様にくねくねと
距離がやたらと長い。

57分で ”お助け水”に着く。 山上ヶ岳周辺はおいしい水で有名
であり、一口飲んでみたが、冷たくもなく、美味しくもなく、
普通の水だった。 日本百名水のゴロゴロ水とはレベルが違うのか?

標高差:790m
ウィキペディアから
  大峯山(おおみねさん)は奈良県の中央にある山。 深田久弥の日本百名山やそれを元にした
各種一覧表では、大峰山(1915m)とあるが、これは大峯山脈中にある近畿最高峰の「八経ヶ岳」
の高さであり、一般に言われている大峯山は山上ヶ岳(1719m)である。 深田久弥は山上ヶ岳と
八経ヶ岳の2峰を登山しており総称して「大峰山」と紹介している。 全国に数多く存在する
大峰山の由来の山といってよい。
ここが悪名高き(?) ”女人結界門” 過去には女性が入山している
記録があり、もし女性が入山すればどうなるのか知りたいところだ。
法律的には何の問題も無いと思うのだが・・・

女人結界
  2005年11月3日、大峰山の女人禁制に反対する人々が結成した
「大峰山に登ろうプロジェクト」(以下、プロジェクト)のメンバーが、大峯山登山のために現地を訪れ、寺院側に質問書を提出し、解禁を求めたが不調に終わった。
 その結果、改めて話し合いの場を設けることで合意して解散したが、その後、問題提起の為としてプロジェクトの女性メンバー3人が登山を行った。 この後、この登山をめぐって、寺院側、反対派地元住民、およびいくつかの報道機関が批判を行ったが、プロジェクト側は事実に基づかないものと反発している。
駐車場横の ”清浄大橋”。 如何にも意味ありげな橋の名であり、
この橋から70mまでは女性も入れるが、そこから先は ”女人結界”となっていた。
35分にて ”一本松茶店”に着く。 ここでは参道が茶店の中を通る様になっており、嫌でも茶店の主人と顔を合わすことになる。 ここでも
主人の挨拶は「ようお参り!」であるが別にお参りに来た訳ではない。
だらにすけ”と書かれた茶店。 意味がよく判らない。
陀羅尼助は役行者が作った有名な漢方薬らしい。
    1時間15分にて ”洞辻茶店”の中を通り抜ける。
茶店の中には山伏グッズが色々売っていたが中を通り過ぎるだけ。
現在地とは松谷清造出店を通り過ぎた地点。
ここから山歩きらしくなってくる。
地図はクリックで拡大します。
松谷清造出店”と書かれた比較的新しい茶店を通り抜ける。
天気予報に反して天気はどんどん悪くなってくる。
正に新緑の候であり明るい緑の広葉樹林が広がる。
くさり場が2箇所あるが、共に大した勾配でも距離でもない。
ここまで淡々とした道であったのでくさり場は退屈しのぎになり面白い。
1時間37分で ”鐘掛岩”の麓に着く。 ここには垂直の壁があり、
登れるらしいが、危険なのでガイドに頼めとの注意書きがあった。
ここには書いていないがガイドを頼むと有料らしい。
垂直の壁ではあるが足場がしっかりしており、充分登れそう
ではあるが、仲間内からのチャレンジャーは居なかった。
まずはくさりのある ”小鐘掛岩”に登り、
垂直の壁はパスして裏側から鐘掛岩に向う。
1時間47分にて ”鐘掛岩”のてっぺんに立つ。
大景観であろうがガスってしまって何も見えない。
ガスの中でも高度感は充分に感じることが出来た。
”鐘掛岩”を降りる頃には霧雨となってきた。
すっかりガスの中に入ってしまったようだ。
再び穏やかな道となり ”西の覗岩”に進む。
1時間55分で ”西の覗岩”に着く。
ここには小屋番が居り、有料で ”山伏ごっこ”をさせてくれる。
西の覗岩  二人は過去に浄化、懺悔したいことがあるのか、果敢に覗き岩にチャレンジした。
身に付けているいる物は時計を含め全て外せとの指示を受け、鉢巻を貰って頭に巻く。 身を乗り出している間は
お経を唱えてくれる。 体半分を落とし込むものと思っていたが、素人相手にそこまで出来ないのか、写真の範囲の
覗きで終わった。 私は高度恐怖症的には問題ないが料金の千円で足がすくんでしまい撮影掛かりに徹した。
雨も小降りになり、清浄された体で ”山上宿坊”に向う。
2時間20分にて ”大峰山寺”に着く。 この寺は標高1,700mに
於ける世界最大の木造建築らしいが、標高が基準に成り得るのかどうかは疑問が残る。 例によってお参りはしないが中は覗いて見る。
2時間25分を要して ”山上ヶ岳”(1,719m)に着く。
ここまで険しい山だったので山頂に着いてがっかり。
ピーク感はまったく無く、お花も咲いていない。
三角点より高い岩峰に立ち、ここが本当の最高点と胸を張る。
雑感
  金曜日時点での天気予報は土曜日が曇りで日曜日が晴天だった。 その天気予報を信じて日曜日の山行きとしたが、天気予報とは逆に土曜日が晴天で日曜日が曇り空(山頂は小雨)になってしまった。  梅雨時期の天気は予報し難いのは判るがあくる日の天気くらいしっかりと予報してもらいたいものだ。  天気予報の外れと共に、山道も表参道がきつく、レンゲ辻側が穏やかと勝手に思い込んでいたが、実際はまったく逆であった。 歴史を尋ねる表参道に対して山登りを楽しむレンゲ辻側と感じた。 山頂以外は面白い山であり、稲村ヶ岳までの縦走も楽しそうだ。
  女人結界の入口には外国人観光客にも判るように英語の注意書きまである。 右は登山者向けの注意書きであるが長過ぎて読む気にもならない。 興味ある人はクリックすれば拡大するので読んで見て下さい。
下山は ”レンゲ辻”側とする。 表参道とは打って変って登山道と
なり細く険しい道が続く。 広葉樹林帯に岩峰が続き、山歩きで
訪れる者にとっては、雰囲気はこちらの方が随分良いと思った。
標高1,700mの山であるので ”シャクナゲ”は今が満開の
時期を迎えておりピンクと赤の花が混在していた。
大きな岩壁が迫り、周辺には岩峰も多く楽しませてくれた。
急斜面には鉄製の階段が設けてあるが、
それ以外はガレ場的で滑り易い斜面が続く。
”レンゲ辻”の峠からは沢に降りていくが、曇天にも関わらず
      広葉樹の新緑が美しく、何度も見入ってしまう。
2時間57分にて ”稲村ヶ岳”への分岐点である”レンゲ辻”に着く。ここにも女人結界の門があり ”稲村ヶ岳”に向う分には問題ないようだ。
岩峰に囲まれた涸沢から綺麗な沢水が流れる谷間に降りる。
ここからは穏やかな道となり数回の渡渉もあった。
コバルトブルーの沢水とライムグリーンの
広葉樹に囲まれたところでお昼休憩とする。
こちらに降りて来る人は少なく落ち着いた雰囲気であった。
  4時間08分で”林道終点”に出る。ここまで車で上がることが
出来、駐車料金も取られないが、駐車スペースは数台分しかない。
沢音を聞きながら林道を20分歩き、4時間27分で山上ヶ岳を終える。
下山時間は休憩時間を含めて2時間07分だった。
ゴロゴロ水汲み場(日本名水百選)
 朝も車で一杯であったが、帰りには道路まではみ出して車が並んでいた。
皆、大きなポリタンを持ってきているが、そんなに美味しい水なのか。
確認したかったが車で通り過ぎてしまった。 水汲み場の駐車場は有料と
なっているが、水自体が有料かどうかは確認していない。
右手を見ると急峻な奇岩があり ”西の覗岩”を過ぎて
しまったかと思ったが、これは ”鷹ノ巣岩”だった。
行者の模範演技(?)。 支える方が大変かも。
このHPを見ると友ヶ島の行場に行って
みたくなってきた。
やさしい仏教入門
 宗教嫌いの私でも少しは学んでみようかなと思わせるサイトを見付けた。
大峰山が詳しく載っています。 情けないことに役行者を『 やくぎょうじゃ 』と読んでいたが、『 えんのぎょうじゃ 』だった。
行動時間:4時間27分、登り:2時間25分、下り:2時間07分
関西百名山
日本三百名山』 女人禁制であり、宗教色の強い修験者の山。
さんじょうがたけ
(クリックで拡大します。)
(クリックで拡大します。)
林道終点の登山口に出る。
当初はここに車を停める計画もあった。
2024年7月12日改定
くさり場大好き男には微笑みも出て来る。
ガイドを頼まず、もし何かあれば非難が大きいと
思うのでパスするのは正解だと思っておく。
とは言うものの、まったく展望が見えないのは残念であった。